フルリノベーション(スケルトンリフォーム)を検討し始めると、真っ先に気になるのが「費用」と「予算をどこに割り振るべきか」ではないでしょうか。
見積もりを比較する際、どうしてもキッチンや浴室、最新の建材といった「目に見える部分」の金額に目が行きがちです。しかし、実はフルリノベ後の住み心地や満足度、そして将来の維持費を左右するのは、壁や床の中に隠れてしまう「見えない工事」の質にあります。
この記事では、一級建築士の視点から、フルリノベの賢い費用の使い方と、なぜ「見えない工事」に投資すべきなのかを解説します。
「見た目だけ綺麗になったけれど、冬は寒いままで後悔している……」
そんな失敗を避けるためのポイントを凝縮しました。具体的な見積もりが気になる方は、ページ下部の無料相談からお気軽にお問い合わせください。
フルリノベーションの費用、何にいくらかかるのか

そもそもフルリノベーション(スケルトンリフォーム)とは、建物の内装や設備をすべて撤去し、構造躯体(スケルトン)の状態に戻してから、断熱・耐震・配管・設備・内装をすべてやり直す大規模な工事を指します。
一般的な戸建て(25〜35坪)の場合、フルリノベの費用相場は600万〜1,500万円と非常に幅広くなっています。この大きな差が生まれる理由は、主に以下の3つの要素に集約されます。
- 建物の現状:構造の劣化度合い、シロアリ被害の有無、基礎の状態。
- 性能向上の範囲:断熱をどこまで高めるか、耐震補強の強度、配管をどこまで交換するか。
- 設備・内装のグレード:システムキッチン、ユニットバス、床材や建具のランク。
よく見かける「坪単価○○万円」という指標は、リノベーションにおいてはあまり参考になりません。同じ30坪の家でも、「見えない工事(性能向上)」にどれだけ予算を割くかで、見積額は数百万円単位で変わるからです。大切なのは坪単価の安さではなく、費用の内訳を正しく理解することです。
「見える工事」と「見えない工事」の違い

見積書の内訳は、大きく「見える工事」と「見えない工事」に分けられます。
見える工事(完成後に目に見える部分)
- キッチン、浴室、洗面台、トイレ
- フローリング、壁紙、室内ドア、収納
- 間取りの変更、照明器具
これらは住み始めてからの「気分の良さ」に直結します。ショールームで実際に触れることができるため、予算をかけたくなる部分です。
見えない工事(完成後に隠れる部分)
- 断熱材(壁・床下・天井)
- 耐震補強金物・制震ダンパー
- 給排水管の全交換、電気配線の引き直し
- 土台の補修、防蟻(シロアリ)処理
これらは住み始めてからの「快適さ」「安全性」「維持費」に直結します。地味な項目ですが、ここを疎かにすると、数年後に大きなトラブルを招くリスクが高まります。
後からやり直せない「見えない工事」3つ

フルリノベーションの最大のメリットは、家を「裸」にすることです。構造躯体がむき出しになるタイミングは、住まいの一生の中で極めて限られた機会です。この機会を逃すと、後から同じ工事をするには再び壁や床を剥がす必要があり、費用は2倍以上に膨れ上がります。
① 断熱:光熱費と健康を守る投資
壁の中に最新の断熱材を充填するのは、スケルトン状態の時にしかできません。後から断熱性能を上げたい場合、内壁を剥がすか外壁に付加断熱する必要があり、費用は2〜3倍にかかります。
断熱性能が低いままの家は、冬は寒く夏は暑いだけでなく、光熱費が年間数万〜十数万円余計にかかります。10年・20年のスパンで見ると、断熱への投資は確実にリターンのある費用です。
② 耐震補強(+制震):家族の命を守る備え
構造を補強できるのも、壁を剥がしているフルリノベ時が最適です。後から耐震補強しようとすると、再度壁を壊す必要があり、現実的ではありません。
久留米・筑後エリアは、2016年の熊本地震でも震度5弱〜5強を記録しています。耐震補強(建物を強くする)に加え、制震ダンパー(揺れを吸収する装置)を設置することで、繰り返しの地震にも強い家を実現できます。
※耐震と制震の違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
→ 【関連記事】「耐震だけ」では揺れは止まらない|制震リフォームとは
③ 配管(給排水管):水漏れリスクの解消
一般的な給排水管の寿命は25〜30年です。築30年以上の物件では、配管が寿命を迎えているか、すでに超えている状態です。
ここを交換せずに内装だけ新しくすると、数年後に床下で水漏れが発生し、せっかくの新しい床材を剥がして修理するという事態になりかねません。フルリノベ時に一緒にやれば追加の解体費用がかからず、最もコスト効率が良い工事です。
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ヤマト建設のフルリノベーションでは、まず建物状況調査で現在の性能を数値で把握します。
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キッチンや浴室は15年後に交換できる。だから今は性能に投資する

多くの方が悩まれるのが「予算の配分」です。ここで明確なアドバイスをお伝えします。
「迷ったら、設備グレードを下げてでも、性能に予算を回してください」
キッチンや浴室といった住宅設備の寿命は、一般的に15〜20年です。つまり、技術の進歩に合わせて後から交換することが可能です。一方で、断熱や耐震、配管といった「性能」部分は、一度やれば30年以上持つ長期投資ですが、後からやり直すと莫大なコストがかかります。
「見た目」は後から変えられますが、「性能」は今しか変えられない。これが、フルリノベーションの費用配分で後悔しないための原則です。
補助金を活用すれば「見えない工事」の負担を軽減できる

性能向上リノベーションには、国や自治体から手厚い補助金が用意されています。注目すべきは、補助金は「見えない工事」(断熱・耐震)に対して優先的に支給される傾向があるということです。
2026年度の主な補助金制度としては、断熱改修や省エネ設備導入に対する国の支援事業や、高断熱窓への交換を対象とした窓リノベ事業、そして久留米市独自の耐震改修補助金制度などがあります。
これらを賢く組み合わせることで、性能向上のために追加した費用の多くを補助金で賄うことが可能です。例えば、フルリノベ総額のうち断熱・耐震に300万円を投資した場合、補助金で数十万円が還付されれば、実質の自己負担は大きく軽減されます。
※補助金の金額・要件は年度や工事内容により変動します。最新の詳細は下記の記事でまとめています。
→ 【関連記事】2026年度版・リノベーションで使える補助金まとめ
ヤマト建設が「性能向上リノベーション」を掲げる理由

ヤマト建設が「性能向上リノベーション」を標榜するのは、見た目だけを新しくするのではなく、建物の性能そのものを数値で向上させることにこだわっているからです。
性能を数値で把握し、数値で報告する
一級建築士が現状の耐震評点や断熱性能(Ua値)を計測し、工事後にどれだけ向上するかの目標を設定します。施工完了後には、実際に性能がどれだけ向上したかを数値でご報告します。
大地震に強い「Hiダイナミック制震工法」
耐震(建物を固める)だけでなく、制震(揺れを吸収する)を組み合わせる江戸川木材工業株式会社発の工法です。耐震補強だけでは防げない「繰り返しの地震による揺れの蓄積」にも対応し、より安心できる住まいを実現します。
久留米を拠点に30年以上の地域密着実績があり、補助金申請の複雑な手続きもワンストップでサポートいたします。
※断熱リフォームで失敗しないためのポイントはこちらの記事もご覧ください。
→ 【関連記事】断熱リフォームで失敗する3つの原因と正しい進め方
まとめ
「10年後に、この会社で良かった」と思っていただくために。
フルリノベーションの費用は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、表面の綺麗さだけでなく、ご家族の健康と安全を支える「家の基礎体力」に投資していただきたいと考えています。
断熱・耐震・配管を含む性能向上リノベーションは、ヤマト建設が最も得意とする分野です。まずは無料の建物状況調査で、ご自宅の現在の性能を数値で確認してみませんか?
建て替えかリノベかで迷っている方も、お気軽にご相談ください。
お電話でのご相談:0942-46-3800
(受付:平日9:00〜18:00)

